011/2024
「東京ゴッドファーザー」しか観ていない私にとって今敏作品は地味という印象しかなく、それ以来なんとなく観るのを敬遠していたのですが今回リバイバル上映ということで初鑑賞。
往年の大女優、藤原千代子のモデルは原節子かはたまた岸恵子あたりだろうか。
現実と映画の世界が交錯し、時間と場所が目まぐるしく移りゆく演出はいろいろなジャンルの映画を観せられた感触を伴い、飽きさせることがない。
そして後半、気づけば冒頭のシーンから円環を成していたのかと気づかされたときはうまいなあと思った。
千代子の細かい目の表情など丁寧に作画されていて
なるほど女優という職業そのものを考えさせられる。
90分弱という短めの尺ということもあり
割とあっさりとしたラストが物足りない気もする。
でもこれは好みの問題かな。
最後のセリフはちょっと陳腐な気がしました。
今も今敏氏が存命ならどんな世界を見せてくれたのかと思うとその早すぎる死が悔やまれてならない。
余談だが映画監督(声:鈴置洋孝)が源也を「何やってんだ!」と怒鳴るシーンで
ブライトさんの有名なセリフを思い出して違う意味で感動しました。