千年女優のspitfireのネタバレレビュー・内容・結末

パーフェクト・ブルーのリバイバル上映が好評だったからか（アレもエラい着席率だった！）、今作も全国規模でリバイバル上映が決まりました。めでたいですよね。

隠居した大女優のインタビューが始まると、インタビュワーも出演作の中に引きずり込まれていくことに。あり得ざるカットの繋ぎ方が次々と炸裂し、作中の現実と劇中劇とを綯い交ぜにしたまま物語が進みます。「役を生きる」とは言うけれど、初恋の相手を追いかける人生が数々の出演作で何度も繰り返され、次第に疾走感を伴い、劇中劇と人生のダブルクライマックスへ向かっていきます。至高のメタフィクションでした。

この世ならざる映像世界を彩るのが、これまた超然とした平沢進劇伴。EDのロタティオンを聴きながら、あのラストはどういうことなのか、そして歌詞の「輪廻のロータスが咲く」とはどういうことか考えてしまいました。他ならぬ千代子自身が、己を幸せな呪いの中に放り込んだように思えてなりません。