さいとう

千年女優のさいとうのレビュー・感想・評価

千年女優(2001年製作の映画)
4.7
爆裂おもしろ映画だった。今まで観た映画の中で一番好きかもしれない……。
まずすごいと思ったのは表現の濃さで、どこを切り取ってもアイデアがみちみちに詰まっている。手抜きというものが微塵も感じられない。避け難く生じる手抜きや薄さをどう活かすか、というのが映画の醍醐味だと思っていたところもあったんだけど、そういう考え方は根本からひっくり返されてしまった。
繰り返し出てくる車輪のモチーフと自己完結のイメージを重ねて観たりした🛞人生の自己完結性、ものづくりの自己完結性、愛というものの自己完結性。個人として生き、本当の意味で何かと接続するためにはまずその自己完結性に向き合わなくてはならないのかも、とか考えたりした。そういう意味で最後の台詞は禅問答のような趣さえ帯びている。
映画館で観れたことは本当に幸運だった。またいつかもう一度観てみたいです!
さいとう

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