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エディ・コイルの友人たちのleylaのレビュー・感想・評価

エディ・コイルの友人たち(1973年製作の映画)
3.8
70年代の香りがプンプンするフィルム・ノワール。ピーター・イエーツ監督目当てで観ました。

カッコイイ主人公は不在。ボストンで普通の仕事をしながら裏社会で地味に小銭を稼ぐ冴えない男エディ・コイルの悲哀でぶざまな姿を淡々と描いている。

ここに出てくる犯罪者たちは全員、犯罪を犯しながらも裕福ではない。家も狭いし、身なりもよくない。

「ブリット」のスタイリッシュな雰囲気もなく、銀行強盗のシーンはあるものの怖さもなく地味で、アクションもほぼなく、いっこうに盛り上がらない。マジで地味。その手のアクションやクライム感を期待する人には全くおすすめできません。

影が薄く、落ちぶれたショボい役を演じるロバート・ミッチャムがハマってた。エディ・コイルが自分の刑を少しでも軽くするために捜査官に情報を売り、右往左往している小者な感じが実にいい。タイトルがなんとも皮肉で、ますますエディ・コイルが可哀想になる感覚がよいな。

ピーター・ボイルの静かな怖さが唯一、際立つ。

捜査官と情報屋のサラッとしたラストに、裏社会のリアリティを感じて、この地味さが好みでした。

ジャッキー・ブラウンという銃の密売人が出てくる。タランティーノに少なからず影響を与えているのかも。
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