みおこし

チートのみおこしのレビュー・感想・評価

チート(1915年製作の映画)
3.4
104年前の映画を鑑賞しました。まさかの3桁です!!
ハリウッド最初のアジア人スターであり、セックス・シンボルとしても名高い日本人俳優・早川雪洲を主演に迎えた作品。日本ではその内容から上演されなかったのだとか。

株式仲介人の妻であるイーディスは、以前から浪費癖があり、資金を失ったことから富豪の日本人ヒシュル・トリに泣きつく。快く受け入れたヒシュルだったが、その対価をイーディスに強要し...。

今思うと本当に衝撃的な内容。本作で描かれる日本人は歴史の授業で習った"黄禍論"を彷彿とさせる、きわめて冷徹で狡猾な人種というステレオタイプそのもの。最大の山場であるイーディスとヒシュルのシーンはサイレント映画ながらかなりハラハラドキドキする描写になっていて、焼きごてを押し付けようとする有名なあのシーンは今観ても戦慄。
でも当時29歳の雪洲はどこか色気に溢れていて、あの流し目に悩殺されたアメリカ人が数多くいたのも納得。危うさの中にある男性としての荒々しさのようなものがひしひしと伝わってくる名演技でした。

ストーリーは正直主役のイーディスがあまりに浅はかというか、自業自得としか思えない展開だったので全く同情できず...(笑)。ラストも急展開すぎましたが、44分という尺を考えると仕方ないのかなと。
でもさすがは名匠デミル、手に汗握るスリリングな演出は当時から健在だったんですね。
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