笑わせてよ

コクリコ坂からの笑わせてよのネタバレレビュー・内容・結末

コクリコ坂から(2011年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

やっぱりコクリコ坂は永遠に私のバイブル…
何回見てもいつ見ても色褪せない…!!
ジブリは全作品大好きだけど、その中でも私が1番好きなのがこの「コクリコ坂から」。

この時代の雰囲気が本当にたまらなく好き!!!🥹まさに「浪漫」がある…学生たちが若さと熱を持て余している時代。学生運動って当時色んなことを主張していたけれど、結局のところ皆有り余る若さと熱を発散させる場所が欲しかっただけなんじゃないかと思う時がある。コクリコ坂の中ではその学生たちの力を向ける先が 「カルチェラタンの取り壊し反対運動」だったんだろうなぁ。

こんなこと言うと怒られるかもしれないけれど、科学技術や文明が発展した今よりも不便だけれど昔の生活の方が幸せだったんじゃないかと思ってしまう。
不自由なようで自由…?そんな感じ。

ストーリーがやっぱり好きだなぁ…マーニーと一緒で観る人を選ぶ感じかなと思うけど。コクリコ坂の面白さが分からないって人たまにいるけど、それは多分「ストーリーの設定や展開の説明が少ない」からだと思う。主人公の海がどんな境遇なのか、まぁ見てたらだんだん分かって行くんだけど最初はあんまりしっかり説明されない。なぜ海は旗を上げるのか、カルチェラタンって何なのか…後は親子関係も少しごちゃっとしてる所も分かりにくいのかな。
「あんまり起承転結が激しくない」のも退屈に感じる人は感じるのかも。結局コクリコ坂が描いているのは慎ましくも微笑ましい恋の話であって、とんでもない悪役が登場する訳でもなく、ただやってる事は恋と新聞作りと部活棟のお掃除🧹
でもこの日常感が、しかも「昭和の日常感」が良いんだなぁ〜〜たまらない!!!🥺
食事の用意にしたって、買い物にしたって現代の私から見たら全てが新鮮で…親と見ると特に楽しくて最高‼️「お米ってこんな風にガスにマッチで着火してたの?」「上を向いて歩こうってこの時代の歌なの?」とかもう小さな事まで全部質問攻めしちゃってた笑

どこまで正確な歴史とマッチさせてるのか分からないけれど、「朝鮮戦争」だったり実際の出来事の名前が出てくるから物語に説得力が増してる。あ〜この時代なんだ、っていうのが分かると想像がより膨らんですごく面白さも増す。理事長を尋ねて東京に行く時、「東京オリンピック1964」とか書かれてたりして大体何年頃のことなのかも分かるし、芸が本当に細かい!!

カルチェラタンが本当に本当に好きで…一生ああいう集団に憧れるだろうなと思う。学問って突き詰めればと言うか、楽しんでいれば理系も文系も本当に関係なく語り合えるものなんだろうなと思う。学生時代の一瞬を自分が夢中になれることに捧げられるカルチェラタンの住人たちが本当に羨ましいし嫉妬すら感じる。あんな高校生活、大学生活が送りたかったな……一生この気持ち拗らせて生きていくのかな…😢

特に哲学研究会の男の子がめちゃくちゃ好きいい味出してるわ〜😂😂「閣下は、樽の中に住む鉄人をご存知でしょうか!!!」

コクリコ坂は登場人物の心情描写もズバ抜けてると思うんだよね。海と俊の淡い恋が始まり…でも兄妹かもと知った時の葛藤、それでも好きを諦められないもどかしい気持ち…登場人物の気持ちが自然に無理なく表情や動作から伝わってくるからこそ、全部に感情移入出来る。
特に私は、メルに俺たちは兄妹だと告げた雨のシーンで、メルの傘を1回グッ、と引き寄せた俊の動きが堪らなく好き。あれは一体どういう気持ちでやったんだろう…?その考察だけで小一時間語れそう😂

コクリコ坂は歌とサウンドトラックも秀逸過ぎる!!!「朝ごはんの歌」は私もめざましにさせてもらってるくらい好き🤭あと集会で皆で肩を組んで歌っていた曲や理事長をカルチェラタンで歓迎していた曲、小野寺さんに会いにメルと俊で走って行く時の疾走感溢れた曲も。全部全部が大好き‼️忘れられない

お母さんにメルが「もし俊が父の本当の子供だったら…?(つまり浮気の末の隠し子だったら…?)」と聞いた時のお母さんの「それだったら会ってみたいわ!!お父さんに似てカッコいいかしら?☺️」っていう余裕の返しで惚れた。お母さんの人間性の素晴らしさがあそこで完全に表現されてて凄かった。そりゃメルにも慕われるわけだ!

何より私は水沼様のトリコですね!!!はい!!!名前の通り沼!!!!ああいう成績優秀な生徒会長キャラに元から弱いんだけど、水沼さんはそこに芯の強さと賢さとカリスマ性と友をよく見ていて案じる優しさと、男らしさとリーダー気質と空気を読める察しの良さと…歌のうまさまであっていやもう全部乗せ!!!!
これは水沼さんに沼らないはずがない…スパダリ過ぎる。こういうヤマト男児が好きすぎる😭現代にはいないのかなこういう素晴らしい人は…水沼さんと結婚できたら他には何もいらないし、お爺ちゃんになるまで一生ずっと傍にいる…水沼さ〜〜〜〜ん!!!!


カルチェラタンの住人は全員男子なのは何故?と思ったけれど、やっぱり当時はまだ女性は学問よりも花嫁修業、家事手伝い…の時代だったのかな?メルも一人で朝ごはんや夜ご飯、家事まで切り盛りしてたもんね。メルのお母さんや周りの人は医師だったり優秀みたいだし道が閉ざされてはいないみたいだけど…一般的には。こういうのも歴史の一部として面白い側面だなと思う!
今の時代だとヤングケアラーだとか男尊女卑だって言われそうなことでも、当時は当たり前だから何にも咎められることではなかったんだなぁと思うと、結局人の考え方なんてこんな感じで流動的なんだなぁとかも思うよね🤔💭

コクリコ坂を観るとすごく恋がしたくなる。
でもその恋って、現代であるアプリで出会ったりするようなものじゃなく、もっと純粋でプラトニックな…中学生や高校生の頃にあったようなものが1番近いかもしれない。
令和ではもう無理かなって諦めてるけど、好きな本や映画について喫茶店で語り合ったり、交換日記を書いてみたり…そういうことが出来るような恋がしてみたい。
あとはメルみたいに、芯のある強さを持った女性になりたいとも思う…。

本当にコクリコ坂は私の人生観を根底から形作ってるバイブル。いつか私の子供にも見せてあげたいな

【補足】
関係ないんだけど気になったことがあとひとつ。集会で歌う歌の中に「紺色のうねりが飲み尽くす日がきても 水平線に我は没するなかれ」みたいなニュアンスの歌詞があったと思うんだけど、これって津波の事なのかな…?公開年が2011年、ちょうど東北大震災のあった年…だったからちょっと気になった。関係ないと思うけども!!
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