スタジオジブリ作品の中で、宮崎吾朗氏が監督を担当した作品。
こういう言い方は良くないのもわかっていますが、やはり創始者は偉大だ。
脚本で宮崎駿氏が参加しているため、ストーリーは非常に美しく、親子愛や男の友情を描いた作品に仕上がっている。
美術も長年ジブリの美術監督だった中田二三氏の下で働いてきた、吉田昇氏が手掛けているため、これまでのジブリが描いてきた美しさが表現されている。
手嶌葵の主題歌も身に染みた。
が、何かが足りない。
そう感じてしまった作品だった。
きっと「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」などにあった哲学的要素や、脚本の表現力がいまいちだったのかもしれない。
しかし、これが今のジブリなのだろう。
時代の変化とともに作風も仕上がりも変わってくる。
比較をしながらも、この変化に順応できる視聴者でもありたいと思う。