たけちゃん

コクリコ坂からのたけちゃんのレビュー・感想・評価

コクリコ坂から(2011年製作の映画)
4.2
上を向いて歩こう……


宮崎吾朗監督、原作・脚本:宮崎駿 2011年製作
声優:長澤まさみ、岡田准一


勝手にお知らせシリーズ「今日は何の日」
本日、8月22日は「チンチン電車の日」🚃🚋💭

チンチン電車って、知ってます?
チンチン電車とは路面電車のことです。
僕も昭和の人間なので、子供の頃にはわが町にも走っていました。今現在も路面電車が走っている町はありますよね。でも、チンチン電車の名前の由来となる発車のベル音が残っているのは、どのくらいあるのかなぁ?

この日は、1903年の8月22日に、日本で初めての路面電車が、東京の新橋~品川間で走ったことに由来します。

そんなチンチン電車の日には、やはり、チンチン電車が出る映画が観たいですよね。実は、タイムリーなことに、昨日「金曜ロードショー」で、ジブリの「コクリコ坂から」が放送されました。以前観た記憶で、確か、路面電車が出たはず……と思い、観直していましたら、出ましたよ(ˆωˆ )フフフ…
めるちゃんと俊くんが、カルチェラタンの存続を嘆願しに行った際、帰りの別れ際に乗るのがチンチン電車でしたね。ちゃんと"チンチン"と鳴らして発車していましたよ( ˘ ˘ )ウンウン






さて、映画です。
いつものジブリとは違いますが、僕は好きだったなぁ。
今作は宮崎駿監督の息子、宮崎吾朗の監督作。
企画・脚本は宮崎駿さんです。
なんでも、宮崎監督の仕事場に遊びに来た甥っ子や姪っ子の置いていった本に載っていて、その原作を気に入って映画化に至ったとか。すごい目利き。
原作は少女漫画の月刊誌「なかよし」に連載されたもので、作者は佐山哲郎さん。でも、僕は読んでいないので分からないのですが、原作とはかなり設定が変わっているようです。ただ、漫画原作との比較は読んでないので、いたしませんm(_ _)m



主人公の"める"こと松崎海の声は長澤まさみさん。
相変わらず、上手!
"める"って、フランス語の"la mer"から取ってますよね~。"mer"は"海"のことですから。オシャンティ(笑)
芯が強くて、しっかり者。
しっかり者過ぎて、心配になるほどです。

妹が"空"、弟が"陸"です。陸海空を制覇!
妹は姉とは真逆な、おおらかで、ちゃっかり者。

ちなみに、お母さんは良子で、おばあちゃんは花、あら、普通の名前だなぁ……( ¯−¯ )フッ


そして、高校の1つ年上の運命の人が、風間俊くん、声は岡田准一さんです。
彼の生い立ちに秘密があるので、テレビでは"衝撃の結末が!"みたいに煽っていましたが、予想の範囲内ですよ( ¯−¯ )フッ



舞台は横浜で、1963年の5月~6月の頃。
実は、僕は1963年の6月生まれなので、他人事ではない(笑)
翌年が東京オリンピックの年で、僕の弟が生まれています。出てくる風景が、僕の原風景とも重なり、ものすごく懐かしかった( ˘ ˘ )ウンウン
走るオート三輪とか
テレビで舟木一夫の出番を待つとか……
"あたり前田のクラッカー"は、僕にとっても既に古いギャグでした( ¯−¯ )フッ
横浜みたいな都会ではなく、北海道の田舎町ですから、そんな小洒落た感じはないけどね。なんというか、空気感が分かるんです。それがこの映画のすごいところかなぁ。

ガリ版刷りとか、ギリギリ体験しているからね( ¯−¯ )フッ

あと、海や俊の通う高校がバンカラで(笑)
こんな高校生、いる?( ¯−¯ )フッ
この人たちが大学生になって、大学紛争を起こすのか?
世界はベトナム戦争へと向かう頃ですし、アメリカの大統領はケネディ。まだ、月へは到達していません。
本当に上に向かうエネルギーのある時代でしたね。



また、この映画、音楽が良いんです。
テレビから坂本九さんの「上を向いて歩こう」が。
発表は1961年ですが、1963年にこの曲がアメリカのビルボードチャートで、現在を含め、アジア人で唯一のチャート1位を取るんですよ!
その名も「スキヤキ」( ¯−¯ )フッ


劇伴のグループ・サウンズ調の曲「明日に向って走れ」がサイコーね。この時代の音って感じです。
ただし、正しくはグループ・サウンズと呼ばれるバンドが出るのは1967年以降なんですけど。ベンチャーズのヒットでも、1965年よ⸜( ¯⌓¯ )⸝


あと、手嶌葵さんの歌が何曲も流れますが、例えば海が朝ごはんを準備するシーンで流れる「朝ごはんの歌」とか、「初恋の頃」とか。曲の大半は谷山浩子さんが書いていて、それも良かったね。

他にも、カルチェラタンで歌う「白い花が咲く頃」、徳丸理事長がカルチェラタンに来た場面で学生みんなが歌う「紺色のうねりが」とか、聴いてるだけでジーンとなったよ。


紅葉丸と別れる場面で流れる主題歌の「さよならの夏 ~コクリコ坂から~」が流れますが、この手嶌葵さんの歌が、本当にジブリだなぁ……って思いますよね。
天から聴こえる感じ( ˘ ˘ )ウンウン



宮崎駿さんが演出するともう少し違ったかもしれないけれど、今作もしっかりとジブリでした( ˘ ˘ )ウンウン
監督の宮崎吾朗さんは、お父さんの呪縛と戦いながら、よく頑張りました!
たしか、公開後に「父子の300日戦争」みたいな特集が公開されましたよね。
偉大な父を持つと、息子は辛いなぁ。
良い映画をありがとう😊