ぉゅ

コクリコ坂からのぉゅのレビュー・感想・評価

コクリコ坂から(2011年製作の映画)
3.7
2020年 鑑賞 金ローにて
佐山哲郎先生(原作)と高橋千鶴先生(作画)によるコミックが原作。「ゲド戦記」に続く宮崎吾朗監督(ご存知かと思うが、あの宮崎駿さんのご子息)の作品。
某動画チャンネルで、アリコンさんがおっしゃっていた、 “あの描写” についても、頭に入れながら鑑賞していきたい。

昭和38年、初夏の横浜。女子高生の松崎海(声:長澤まさみさん)は、海の見える丘に建つ“コクリコ荘”を切り盛りしている。海は、朝鮮戦争で機雷に触れて亡くなった船乗りの父を偲んで毎朝庭に旗を揚げていたが、高校の学級新聞に"旗を上げる少女"の詩が匿名で掲載されると、それが自分のことではないかと胸をときめかせ...

脚本に宮崎駿さんが入っているため、原作はあれど、60年代の時代背景や学生らしさも入った作品。もちろん宮崎駿さんらしさのエッセンスも盛り込まれている。
“上を向いて歩こう/坂本九さん”がかかったり、舟木一夫さんの名前も... 最近は昭和歌謡が出てくる作品が多いなぁ。自分が昭和歌謡にはまってきているからかも。

学生集会の取り壊しか存続か... 先人の記憶の詰まったものを壊すのか?
旗竿、コクリコ荘、カルチェラタンの大掃除。これこそが受け継いでいく遺産。だが、これらが代々受け継がれていくのか?

風間俊(声:岡田准一さん)の父とは?海との血の繋がりはないのか?それに悩む俊。それでも好き同士の海と俊。あの告白のシーンは良かった!「毎日ずっと旗を上げて、お父さんを呼んでいたから、お父さんが自分の代わりに風間さんを送ってくれたと思っているの」「私、風間さんが好き。血が繋がっていてもずーっと好き」って、青春だなぁ!船へと駆けていく2人も青春だ!船の煙突辺りの旗も好き。で、もちろん海は毎日、旗を上げる...

言われているのが、スタジオジブリ自体がカルチェラタンか?(スタジオジブリを)取り壊し(新たなスタジオの立ち上げ) or (スタジオジブリを)残すのか?
物語が親子のストーリーでもあり、宮崎親子の確執か?とも...
個人としては、宮崎駿さんと高畑勲さんでなければ!なんて思っていた。前作の「ゲド戦記」の周りの評価も相まって、息子であろうと、偉大なる父・宮崎駿さんレベルは不可能なのでは?なんて高尚なことを思っていたのだが... そんな父も最初「カリオストロ」「ナウシカ」「ラピュタ」「トトロ」... といった名作の評価は低かったらしいが、「魔女宅」「もののけ」「千と千尋」... 等で再評価された経緯もあるわけで、高畑勲さんもお亡くなりになり、宮崎駿さんも必ずお亡くなりになる。手塚先生や石ノ森先生も藤本先生、赤塚先生も... でも「アトム」「ブラックジャック」「仮面ライダー」「ドラえもん」「バカボン」「おそ松」といった名作は今も形は変えながらでも引き継がれている。だからこそ、吾朗監督は自分の道、自分の進化をしつつ、新しい“熱風”を入れつつ、劇中にあるよう、スタジオジブリも先人の記録や記憶があり、その記録・記憶を受け継ぎつつ、アップデートしていって欲しい。親子問題?確執?ご本人らが知っていれば、それでいいと思う。我らは劇中のストーリーや、宮崎駿さんが脚本に入ったという事、宮崎吾朗さんの監督作品である事を踏まえた“妄想”で、いいんだと思った。長ーい個人的な考察、失礼しました。高尚過ぎましたかね?なので、スコアは、プラスしときます。

1113(20-246)
ぉゅ

ぉゅ