三隅炎雄

男の紋章 喧嘩状の三隅炎雄のレビュー・感想・評価

男の紋章 喧嘩状(1964年製作の映画)
4.0
『男の紋章』シリーズ第6作、井田探が初登板した。
このシリーズあまり好きでなかったんだが、これは快(怪)作! 現代物でもちょっと見かけないくらい快速の場面転換で、任侠映画的な情緒の入るスキを与えない演出にびっくりする。しかも泣きの場面のなりそうになると、歌うやくざ井沢八郎が前作に続いて登場で一気に歌謡映画化、それに乗せられたかのように4作目結成の小池朝雄・桂小金治の珍コンビがコントをおっ始めるといった具合で、ほとんど任侠映画のパロディになってしまっている。
ラスボスがやくざではなく悪徳暴力刑事佐野浅夫というのも変わっているし、時代劇と西部劇が混じり合った終盤の集団アクションも面白い。石井輝男や鈴木清順に近い批評精神を感じさせる、奇っ怪な着流し任侠映画だ。
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