ロジャー・コーマン追悼で作品を観ようとしたら監督作品がAmazonプライムビデオに何本かあったので一番インパクトあったこの映画をチョイス。
原題が"Wasp Woman"なので直訳するとスズメバチ女が近い。
そのスズメバチからエキスを採取して若返りのロイヤルゼリーを作っていたオジサンが景気低迷中の化粧品会社のオバサン社長にこの薬を売る。
面白いのが実験に使っていた猫が途中に凶暴化するのだが、オジサンが猫に襲いかかられている様子を見せるために必死で猫を左右に動かしてお芝居していて、全然怖くないものを怖く見せなきゃいけない役者さんの大変さが伝わる😭
そういえば【エド・ウッド】にもそんな場面ありましたね。
なんのひねりもない脚本に呆れるのは簡単なんだが、あくまでB級低予算ホラーとしてちゃんとまとめあげているロジャー・コーマンの職人技を褒めるべきでしてね。
エキスを注射し過ぎて蜂女化したオバサン社長、その特殊メイクはそんなに悪くない。むしろ照明の当て方で怖さを見せる感じはこの手の作品としては及第点。
欲を云えば【ザ・フライ】のオリジナルとして有名な【蝿男の恐怖】みたいに怪物側から見た目線のカットも欲しかった。
ちなみに英語版ウィキペディアによればリメイクしたTVムービーもあるそうで映像を観たくてYouTubeで探したら予告編を発見。
こっちの方がエロっぽいですね。エッチの最中に蜂女になっちゃってました。
余談なんですがこの手の昔のB級SFホラーってアメリカでは当時からどう受け止められていたのでしょうね?
訊くところによると主にドライブインシアターでよく上映されていたらしくて、つまりガッツリ観るぞとゆう観客はそれほどいなかったんじゃないかな?(笑)
そういえば【バック・トゥ・ザ・フューチャーPart3】でドライブインシアターからスクリーン目掛けてデロリアンでタイムトラベルする場面でクリント・イーストウッドが無名時代に出た【半魚人の逆襲】と【世紀の怪物/タランチュラの襲撃】のポスターが貼ってましたね。
その後は向こうでは深夜テレビでこの手のがよく放送されていたみたいですが、前述のエド・ウッド監督作品なんか、特に映画史上最低の作品にも選ばれた【プラン9・フロム・アウター・スペース】なんかはそこで再評価されていったわけですから。
ボクはこの手のB級映画を鼻からバカにする人は嫌いですね。
ロジャー・コーマンは仕事としてこうゆう映画も撮りつつ、稼いだお金で若手にチャンスをやり、コッポラやジャック・ニコルソンやジェームズ・キャメロンやもっと大勢の映画人を育てたのだから、映画好きとしてはリスペクトの気持ちを持ちたいですね。