音楽と映像がいい。
全体的にじっとりしている、夏の温度。
時々不穏な空気が感じられる。
セイジ=陸の魚=生きることを諦めた人、らしい。
他の人よりも感度が高く、敏感で色々なことが見えすぎる。
苦しさや悲しさを一身に受け止めてしまう。
鈍感な方が生きやすいとは世知辛いな。
セイジと主人公をバーカウンターが隔てているシーンが印象的。
セイジに当たる照明のせいもあり、彼がこの世から切り離されてしまっているかのように見える。セイジが何を見つめていて、何を思っているのか。佇まいや目の表情から汲み取ろうとした。どうしても人間離れしているように見え、神様、のような…達観しているからだろうか。
だから、意外だったのは彼も笑顔を見せること。
お見舞いのシーンはセイジなりの寄り添い方なのかな。
もう少し彼の内面に迫れたらと思う。
エンドロールの音楽がまた良かった。