こぅ

過去を逃れてのこぅのレビュー・感想・評価

過去を逃れて(1947年製作の映画)
4.2
'20 236/237

ジャック・ターナー監督による、どこを切っても
【フィルム・ノワール 金太郎飴】。

元探偵で、現在GSを営み恋人アン(ヴァージニア・
ヒューストン)と平和に暮らすジェフ(ロバート・ミッ
ちゃん)には、権力者ウイット(カーク・ダグラス)の恋人
キャシー(ジェーン・グリア)と密逃亡していた過去があった
。その過去が今、牙を剥き出す…。

冒頭からジェフを訪ねて来たジョーと再会。彼女、アンを
車に乗せて、語り出す3年前の過去話(回想)、スムーズな
筋運びで無駄が無い。

探偵ジェフ役、ロバート・ミッちゃんはいつものスリーピング
・アイで冷静沈着、余裕のクールカッコ良さ。
捜索依頼人ウイット役、カーク・ダグラスは、いつもの
タイプキャスト(悪役)ではあるが、今回は出番も抑えられ
脇役に徹していた印象。
4万ドル強奪して逃げたとされるターゲット、キャシー
(ジェーン・グリア)は、全身白尽くめで鮮烈登場、その美貌
とタバコを吸う様がファムファタ過ぎていた(終盤の黒ドレス
姿はもっと際立つ)。

ジェフとキャシーの出会い〜展開は言うまでも無く、容易に
読める。

依頼人ウイットが突然様子見で尋ねてくるシークエンスは、
演出も手伝ってスリル満点。

◯い時間に浸っていると、【意外な展開】が待ち構え、先が
読めなくなる、、。

終始展開(行動)の繋げ方が雑(都合良く)で気になったが、
テンポアップには貢献。

撮影に関しては、夜パートの陰影が際立っていた。
アングルやカット割も絶妙、BARパートの横スクロールでの
スムーズな繋ぎや、時には会話を長回しで見せ、巧み。

前半は予想がつき、後半は二転三転、一気に畳み掛けてラスト
まで狐に抓まれる【力技構成】は良くあるが、本作はクライ
マックス前には緩急、【一呼吸】持たせていたのは効果的。

美女で、ピンチになると【色仕掛け】で迫るズル賢いビッチも
クライマックスでは、ジェフ同様、観る者も呆れて流石にもう
◯され無いだろうと悟るであろう。

駆け引きは読めても最終結末としては意外だった。が、


救われるような締めは、【粋】でしか無い。


*レヴュー残は2つあるものの、本年ラスト投稿納めになり
ました。引き続きの方、新しい方も皆様本年はお世話になり
ました。
いいね!、コメントも下さりとても励みになりました。
本年は、世界的に大変な年になりましたが、、
どうか皆様良いお年をお迎え下さい。

by 浩◯より♡
こぅ

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