浅野公喜

血のバケツの浅野公喜のレビュー・感想・評価

血のバケツ(1959年製作の映画)
3.6
B級映画の帝王で現在も御存命(96歳)且つプロデューサーとして現役で活動するロジャー・コーマン監督による「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」のセットを流用して数日で撮影したという超低予算ブラックコメディ。パブリックドメイン作品を扱っているYoutubeチャンネル、Cult Cinema Classicsで最近鑑賞可能になりました(ちょっと変ですが日本語字幕も設定可)。

冴えない芸術家志望の男が猫の死骸をなんとなく粘土で彫刻にしたら大ウケ、それをきっかけに人を殺し同様の手法で作品にして更に売れっ子になるというストーリーで、本来社会的にタブーなこと(=殺人)が主人公にとっては幸福をもたらすというのが面白く、いい加減で適当なものも時に評価されてしまう芸術界隈の風潮を皮肉ってるのも〇で、評価を得ても好きな女性には振り向いてもらえない男性の切なさも1時間程度の作品ながらちゃんと描いているのも良かったです。

主人公役のディック・ミラーはロジャー・コーマン監督作品だけでなく彼の弟子的存在でもあるジョー・ダンテ監督「グレムリン」、ジェームズ・キャメロン監督「ターミネーター」にも出演。

https://youtu.be/xzT7SRyW264
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