カンパッチー

クリステン・スチュワート ロストガールのカンパッチーのレビュー・感想・評価

4.0
良い意味で想像していた内容と全く違い、心に傷を負った3人がそっと心に寄り添うような作品でした。

日本のパッケージに致命的にセンスがないせいでクリステン・スチュワート推しなサスペンスっぽいジャケットになってしまっていますが、娘を交通事故で亡くして以来、妻とは心の距離ができてしまい心の傷を負ってしまっている中年男性が主役です。クリステンが彼のものをしゃぶってあげようとしても彼女に娘を重ねて、決して彼女を抱こうとせず、彼女と擬似的家族になっていくというヒューマンドラマで決してサスペンスではありません。

ラストも三人で擬似的家族にならず三者三様それぞれの道というか、「互いに気にかけてくれる存在がいる」という人生における支えのある感じで終わるというのもハリウッドなのに珍しいというか、これはこれでとてもハッピーエンドというかストリッパーの濃い化粧を落としたクリステン・スチュワートがなんとも魅力的でした。

場面的な台詞はほぼないのですが、見ている側にきちんとその部分や背景が伝わること、ラストにも余韻が残り、我々に想像する余地が与えられているという良い作品でした。