ミシンそば

狼獣(けだもの)たちの熱い日のミシンそばのレビュー・感想・評価

3.3
晩年のリー・マーヴィンが主演した一風変わったフランス映画。
こんなんも偶に置いてくれるからU-NEXTはやめられねぇんだ。

狼獣と書いて「けだもの」と読ませる無茶苦茶っぷり、嫌いじゃない。
出てくるキャラ皆、ほぼ西部劇かというくらいには汚れまくっていたが舞台はフランス中部らしい。
初っ端の銃撃戦で子供まで犠牲になったのだけは胸糞悪いが、そのあとに出てくる農場の面々は、伝説のギャング、極悪人のはずのマーヴィンとは別ベクトルのクズばかり。
特にヴィクトル・ラヌー演じるホレスがとにかく不快に過ぎたため、死んだときに「あぁ、やっと死んだ死んだ」と色々胸がすく思いに至った。
もう言ってしまったからついで、という感覚で言うけど、大体のキャラは死ぬよ。

物語の帰結自体は当然。
クズどもに絡まれまくるリー・マーヴィンだが、それでも可哀想だとか憐れだとかは全く思えないくらいには、悪党なのだろう。
最期にせめて、悪党としてのプライドは守り通したのだからいいだろう。
作中のセリフを引用するならば、「いい最期を」だ。