KnightsofOdessa

カインド・ハートのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

カインド・ハート(1949年製作の映画)
3.0
No.225[女装したアレック・ギネスがショウウィンドウを叩き割る] 60点

公爵家から駆け落ちした母親の下に生まれた男ルイが、母親を不当に扱って見殺しにした公爵家に復讐する話。韓国ドラマとかにありそう。知らんけど。ターゲットとなる公爵家の人々は老若男女問わず8人いるのだが、全員アレック・ギネスが演じてくれているので私のような人間識別能力の低い人間でも誰がターゲットなのか分かりやすい。8人もいれば殺し方も多種多様で、ルイが毒や銃などで直接手を下す場合もあれば、勝手に事故死するヤツがいたりと中々面白い。あと、女装したアレック・ギネスが女性参政権運動家として商店街のショウウィンドウを叩き割る勇姿は忘れがたい(彼女は逮捕されないように乗った気球を撃ち落とされる)。ルイス・ガルシア・ベルランガ『The Executioner』のようにルイ処刑前夜の刑務所ロビーで処刑人と職員が会話するシーンから始まるにしては奇天烈な終わり方を迎えるのでいい意味で裏切られた。

1949年は『Whisky Galore!』『Passport to Pimlico』と本作品の成功によって、イーリング・コメディの最初の豊作年とされている。ただ、これまでに観たイーリング・コメディ作品から察するに私はあまり好きじゃないので深堀りする予定は今の所ない。
KnightsofOdessa

KnightsofOdessa