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ジェニファー8(エイト)のMOCOのレビュー・感想・評価

ジェニファー8(エイト)(1992年製作の映画)
3.5
「もう暗い?」
「いや 夕焼けで赤く染まってる」
「赤は覚えている・・・」

 ジョン(アンディ・ガルシア )はある殺人事件の捜査で、14才の時に交通事故で両親と視力を失ったヘレナ( ユマ・サーマン)という若い娘に出会い恋に落ちるのですが、事件に関わったことでヘレナは命を狙われ・・・。

 ロサンゼルス市警察の刑事ジョンは離婚の後2年の荒れた生活に区切りをつけ市警時代の上司だったフレディのいるカリフォルニア州北部の小さな町に転任します。

 早々にデンバー通りのゴミの集積所で喉を切られた女性の遺体が発見され、現場の捜査過程で別の人間の手、血のついたブラジャー、二匹の犬の死体が発見されます。

 見つかった手を調べたジョンは十代後半の女性の手で、指先の指紋が異常にすり減っていることを発見するのですが、どうしてそうなっているのかは全くわかりませんでした。

 デンバーでは2年前に頭と手が無い女性の死体が発見され迷宮入りになっており、発見された手はどうやら冷凍保存されていた形跡があるのです。
 2年前の事件は被害者を特定できず『ジェニファー』というコードネームがつけられ、今になって犯人が行方不明になっていた手とブラジャーを捨てた可能性もあるのです。
 
 ジョンは帰宅途中に盲人用の歩行者信号を見て、指紋がすり減るのは盲人が点字を読むためにおこる現象だと閃きます。
 
 シャスタという盲人の施設でアンバーという19才の女性が6週間前に行方不明になっていることを突き止めたジョンとフレデイは、施設を訪れアンバーと仲の良かったヘレナという全盲の女性職員からアンバーが行方不明になった当日、ミントの香りがする盲人と思われる男が訪ねて来ていて、彼の車の排気音は国産車とは違う独特のものだったという情報を得ます。

 ジョンはゴミ集積所の犬は盲導犬だったのではないかと、再びゴミ集積所を訪れると犬の頭部から22口径の銃弾を発見します。その線条痕(せんじょうこん=銃から発射された弾に刻まれた痕の事、銃一丁毎に違い指紋の様な役割をします)、から犯人は過去に6人の射殺事件を行い、犠牲者は盲人と推定されていたことが報告されます。2年前の事件は7人目の犠牲者、アンバーも同一犯による8人目の犠牲者という仮説をたてるのですが、署内は否定的でした。

 ジョンは捜査目的と個人的な好意からヘレナを訪ね、ヘレナもまたジョンに惹かれていくのですが、施設の所長はヘレナが巻き込まれていくことを嫌い、警察署長にジョンの施設への出入り禁止を要求します。

 その夜、何者かが施設に忍び込み入浴中のヘレナが襲われかけたことをきっかけに署内のテイラーが新聞記者に情報をリークしたことで顔写真付きでヘレナの記事が新聞掲載されてしまいます。

 フレディはジョンとヘレナをホームパーティーに誘い楽しい夜を過ごすのですが、連続殺人犯がヘレナを殺すために施設を訪れると予測したジョンはフレデイと共に施設で張り込みをするのですがジョンは拳銃を奪われ、奪われた拳銃でフレディを射殺されてしまいます。

 ジョンはフレディの射殺犯として嫌疑がかかるのですがその取り調べ中にヘレナが言っていたミントの香りの秘密に気がつき、犯人の車も犯人も特定するのですが署員にはめられ、フレデイ射殺犯として逮捕されジョンの話には誰も耳をかしません。

 ヘレナの危機に焦るジョンは不覚にも取調室のマジックミラーに隠れて堂々と話を聞いている犯人の存在を忘れて、犯人が疑われずヘレナを殺す方法までしゃべってしまったのです。

 フレディの妻マージーの払った保釈金で保釈されたジョンは、ヘレナがいるフレデイの家に向かうのですが、マージーは留守で、ヘレナは施設に戻ったと聞かされます。
 
 ジョンは施設へ車をとばすのですが、殺人犯に追われ施設の中を逃げまわるヘレナは徐々に距離を詰められ・・・。


 ゴッドファーザー PART IIIの2年後にアンディ・ガルシアが主演した1992年制作のサイコスリラー、全盲のヒロインが間接的に事件の目撃者で命を狙われるオーソドックスな話です。日本では劇場未公開のためあまり知られていないのですが傑作です。
 
 
 上司フレデイを演じるのはエイリアン2のアンドロイド・ビショップのランス・ヘンリクセン。
 キル・ビル以前の22才のユマ・サーマンがとてもきれいで、27才の全盲の女性を演じ、ちょっとだけヌードを公開しています。
 
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