戦国時代の中国、西周の王が不慮の死を遂げた。
金と玉の甲冑に覆われた遺体は、天変地異により変化し地中深く復活の時を待つ…。
西周時代の王のミイラがキョンシーを率いて復活、町を大騒動に巻き込むというアクション・ホラー。
典型的な『霊幻道士』の便乗亜流作品。
この『キョンシー大魔王』という作品は、ファンの間ではかなり有名な作品なんですよね。
というのも、『霊幻道士』の原案を書いたホアン・イーが監督した作品だからです。
そのためか、けっこう『霊幻道士』に似たシチュエーションがある。
例えば弟子がイタズラして妖怪が暴れたり、幽霊の誘惑だったり。
この作品は多数の亜流作品のなかでは、演出・アクション・キャラクターともバランスが取れた面白さを備えております。
中国で一番最初のキョンシーという設定もユニークで、金と玉の鎧に包まれたミイラ状態の怪物が暴れ回る感じです。
もちろん普通のキョンシーも出てきます。
道士役の俳優さんが、あのブルース・リーの『燃えよドラゴン』のラスボスのハンを演じていた俳優さんなのはちょっとした豆知識。
また、ジャッキー・チェンの出世作『スネーキーモンキー蛇拳』『ドランクモンキー酔拳』で、最後の対決相手を演じていた韓国出身のホァン・チョン・リーも出演しています。
他にも、『ポリス・ストーリー』第1&2作で、悪のボスを演じていた、チュー・ヤンなども…。
とはいえ、アクションは控えめだし派手な法術などもないので、この時期のキョンシー映画としては比較的地味な部類に入ると思う。
また、確かにこの作品はなかなか悪くないとは思いますが、突っ込みどころがかなりある。
自分の弟子が行方不明になってるのに探しもしなかったり、あげくにキョンシーになってしまったのに、悲しみもせず札を貼る道士に思わず「おいおい・・・」と。
他にも、キョンシー映画ではよくあることだが、説明不足な部分がけっこう目立つ。
また、コメディっぽいのに全然笑えないのが痛かった。