カナノシ

ビール・フェスタ 無修正版 〜世界対抗・一気飲み選手権のカナノシのレビュー・感想・評価

4.0
ビール好きの祖父が亡くなり、ウルフハウス家の兄弟トッドとジャンは「しきたり」に従いアメリカはコロラド州からはるばるドイツ、ミュンヘンまで遺骨を納めに行く。
ちょうどその頃、ドイツではオクトーバーフェスタで大盛り上がり。トッドとジャンは役目も忘れてビールに溺れ、気づけば暗く怪しい路地裏に辿り着いていた。
そこではなんと、世界各国から集まった酒豪達による真のオクトーバーフェスタ「ビール・フェスタ」が開催されていた!
ビールに関する様々な競技による賭博や、各国のプライドを賭けた真剣勝負に息を呑む二人。
偶然に紛れ込んだこの場所で、二人は「しきたり」の意味とウルフハウス家のルーツを知る事になりーーーな話!

スーパーお下品泥酔アホアホおバカ映画!しかし傑作!!
ただただバカになって下らないジョークで一本の映画に仕上げました、面白いでしょ?そんな作品じゃあなかった。
ちゃんと起承転結があって、因果があって、動機があって、努力・友情・勝利がある。
やってることはビールの早飲みだとかどれだけ沢山飲めるかとかなんだけど、一度コテンパンにされた後で勝つために日々特訓(毎回酔っ払って前後不覚に)とか、チーム戦のためにかつての飲み仲間を探す(暴力事件を起こしてたりとか、失業してクズになってたり)とかとにかく展開は王道。

下品なジョークでおバカコメディに仕立てているものの、キャラクターの立ち回りは全てスポ根少年漫画のそれ。

よくこのバランスに落とし込めたなって感心する出来栄えである。

他映画のパロディにかまけてギャグ一辺倒なよくあるB級C級な映画もたまに観たくなるけれど、と言うか完全にそのつもりで見始めたけど、まさかこんなんあるとは…

映画での下ネタやゲップとかそう言うのに抵抗が無い人は一度観てもらいたい。多分これは一度きりの衝撃だと思う。2回目以降や似たような作品は「あれ?こんなんだったっけ?」ってなるだろうけど、初回はある意味感動すら覚える不思議な感覚に陥った。

子供には観せたくないけど、子供こそ楽しめそう。そんな子供ビール(現・こどもののみもの)的な一本でした!
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