爆裂BOX

人間狩りの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

人間狩り(2008年製作の映画)
3.0
都会のストレスを発散すべく、仲間と共に銃を携え狩りに出かけたジョン。だが地元民とトラブルになり、更に巨大な肉食獣まで現れ…というストーリー。
「ジェイソンX」のジェームズ・アイザック監督によるバイオレンス・アクション。実は巨大イノシシが登場するモンスター映画なんですが、終盤までほとんど姿現さず人もあんまり襲わないし、地元民とのトラブルと戦いがメインな感じなのでこの邦題は逆に親切かも。
何だか詰め込みすぎて無茶苦茶になった映画でした。
基本的なストーリーは山に猪狩りに行った主人公と友人たちが主人公の幼馴染の兄弟の弟を殺したためにその一家から襲われるというものですが、そこにマリファナを栽培してハーレムを築くヒッピー達や伝説の巨大猪が参戦してきます。てか、幾ら何でもいろんなモノが居過ぎでしょう。この森はなんなんだ(笑)
前半は主人公達が猪狩りをして山の中を歩く姿が描かれる為、とにかくトラブルが起こるまでが長すぎます。
一家の襲撃が始まってからも主人公達と中々遭遇しないのでいまいち緊迫感に欠けました。まあ、でもジープなどで山道走り回って主人公達を追い掛けてくるシーンや、クロスボウやライフルで対抗する主人公達との戦いはそれなりに楽しめます。バイクスタントは結構すごかったですが。
主人公達にも感情移入できなかったのも辛いですね。特に主人公助けようとしてとはいえ弟射殺して引き金を引いちゃう黒人は、主人公が彼女連れてきたのが気に食わなくて彼女にウザがらみしたり、実力もないのに調子乗った発言したり中々ウザいです。弟殺されて復讐に乗り出す兄貴の方がまともにみえました。犬連れて来てるデブの人もまともだったけど、逃げてる最中に大声で犬の名前呼んだり、常にギャーギャー泣いててうるさすぎたな。
兄弟を始めとした地元民の汚らしい風貌や衣服は不穏でリアルに怖い雰囲気出してて良かったですね。でもマリファナ畑見つけてトラブルになる前は、荒っぽい雰囲気はあれど、弟の方も「ビールくれた礼だ」と雨がっぱ代わりのゴミ袋くれたり、犬探しに行こうとする時に手製の武器くれたり根っからの悪って感じじゃなかったな。家族殺された知らせを受けて警察に行こう!じゃなくって手に手に武器もって自分達で復讐しに行こう!って即なる所は自分達独自のルールで動いてて話通じなそうな感じちょっと怖かったな。
終盤現れるヒッピーコミュニティが結局一番ヤバい奴らっぽかったな。女たちが登場するシーンではオッパイサービスアリ。この女たちが主人公の質問に中にした感じでオウム返しで答える所はムカつく感じでしたが、その後乱入してきた兄貴に同じ事して即射殺される所はちょっと爽快だった。
狩ったイノシシを解体してたら腹から人間の手首が出て来たり、首チョンパや腹抉られて内臓出たりゴア描写もあります。
最後の最後でようやく登場する巨大猪はアニマトロニクスを使っていて造形も良かったんですが、散々勿体ぶって仰々しく登場した割にはあっさり片付いたのは腰砕けでした。
オチも意味不明でした。
アレもコレもと欲張り過ぎたのがダメでしたね。一家との戦いか巨大猪かどちらか一方に焦点を絞るべきだったと思います。
同じ監督の「ジェイソンX」はかなり楽しめただけに個人的にはちょっと残念な出来でした。