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錆びた黄金のENDOのレビュー・感想・評価

錆びた黄金(1981年製作の映画)
4.2
EUREKAとは事件現場の館の名前。ジーン・ハックマン演じるジャック・マッキャンの不遜さのみが屹立し有無を言わせず素晴らしい!ここぞとばかりに人体破壊!バーナーで灼かれる様を丁寧に映し、グルメ描写のような演出。アラスカのgold rushで手に入れた瞬間に魂は死にその後は回想録のような閉じた円環。チャップリンの『黄金時代』によって示唆される死の予兆 。娘のテレサ・ラッセル演じるトレイシーの衣装の七変化が美しい。出色なのは唐突な冒頭30分の勢い雪原の琥珀と稲妻、ルトガー・ハウアー演じるジゴロのクロードを包丁片手に強襲する鶏小屋の戦闘。ハックマンの死後は蛇足と言えば蛇足。マイアミの島ルナ・ベイの桟橋から伝馬船が出るラスト、トレイシーがクロードにとっての黄金でないことに安堵し生きていく。満たされないことが生きる糧なのだ。終戦の狂騒が雪崩れ込み、凪の海で終わる。最高。
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