空の落下地点

トースト 〜幸せになるためのレシピ〜の空の落下地点のレビュー・感想・評価

3.2
宗教や性的嗜好を選ぶ自由、そして好きな食べ物を食べて生きていく自由。

着る人のいない服、空洞のままのパイ、母親の抜けた穴をポッター夫人が埋めること。そして父親のお腹という空洞も、ポッター夫人は埋めて埋めて壊そうとした。欠けたままで生きていく、ということ。

ポッター夫人も凄く可哀想。料理しか自分の価値が無いと強迫観念に囚われてしまってる。とはいえ〈美味しいと言ってもらえる快感〉を独占しようとしたのは良くなかった。母親は子に与え、譲る。愛がなく、自己愛しか籠ってない料理だから、お母さんのトーストに勝てなかった。母親は料理が全てじゃない、という主張が籠った映画です。
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