よるこ

トースト 〜幸せになるためのレシピ〜のよるこのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

料理の苦手な、だけど愛すべき母を肺の病気で幼くして亡くしたナイジェルは、不器用な父がすぐに掃除婦のポッター夫人に夢中になって行くのが許せない。なにせ彼女は計算尽くで父を誘惑し、上手な料理で胃袋を掴む。

ある日、ナイジェルは父に田舎へ連れてこられ、突然引っ越してポッター夫人と3人で暮らすというのだ。
夫が怒鳴り込んできて終わりだと期待していたナイジェルは予想外の出来事に抵抗むなしく、彼女の料理を食べて成長して行く。
ナイジェルは父を取り戻そうと料理で張り合うが、父はついに彼女と結婚してしまう。
家に居たくなくてレストランで土曜日だけ働き始め、その家の息子に惹かれ、森で一度だけキスをする。

彼が彼女より完璧なレモンパイを作ったり、料理をし始めたことで、ポッター夫人はキレて、いがみ合う二人に怒り、一人で泣く父。

しかしある日突然、父は長年の高カロリーで大量の料理攻撃に亡くなってしまった。
自由になった彼は泣いてすがりつくポッター夫人を振り切って、都会へ出て料理人になる。

ヘレナ・ボナム=カーターの継母役は結構コミカルで料理も美味しそうで仲良くなれればこんな不幸な結果にならなかったと思うけど、母を亡くしたばかりの父を既婚者なのに狙う下品な感じは美意識の高い少年には受け入れられなかったんだろう。
庭師のジョッシュの着替えを覗き見た時からゲイっぽいなと思ってたけど、女の子のパンツより男子に牛乳をあげたり、可愛かった。
お父さんの悲哀も分かって、結構切ない。
実はイギリスの著名な料理研究家ナイジェル・スレーターという人の自伝映画だった。

料理の映像がすごく豪華で楽しい。イギリスの中部料理はメレンゲやパイ、オーブンの肉料理が多いのだなぁと思った。少年ナイジェルが作ったボロネーゼや粉チーズをお父さんが知らない、ということに結構驚き。
お母さんはそんな料理作らないとはいえ、普通にレストランとかないのかな。
缶詰の野菜とか最初のお母さんの料理は本当に酷い。
少し昔のイギリスとはいえ、イタリアンの代表的な料理が知られてないなんて、子供の時からミートソーススパゲティとかが普通に食卓にあった日本人からすると結構不思議。
よるこ

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