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サマー・ストックのhollyのレビュー・感想・評価

サマー・ストック(1950年製作の映画)
2.8
ジュディ・ガーランド、MGMでの最後の映画。
共演はジーン・ケリーで、脇を固めるのはグロリア・デ・ヘブンやマージョリー・メイン等MGM映画ではおなじみの皆様方です。

ジェーン(ガーランド)がファルベリー農場の経営に勤しむ一方で、妹・アビゲイルが自分の所属する劇団を連れてきて稽古場にしてしまうものだからさぁ大変…というドタバタストーリーのミュージカル。

ジュディはこの作品を最後にスタジオを解雇されてしまったように、体力・精神的に既にボロボロ。
撮影時も柱に捕まっていないと自力では立つことさえ難しかったそうですが、それを全く感じさせない演技力には脱帽です。

ただ体型はたっぷりと太ってしまい2年前の「イースター・パレード」とはまるで別人だし、当時27歳にも見えないような疲れ切った姿はなかなか痛ましい…
撮影も難航したようで、シーン毎に体型が違うといっても過言ではない不安定さです。
それでも "Get Happy" をはじめとするミュージカルナンバーは、流石ジュディ。持前の才能が溢れ出して圧巻の一言!(もっともGet Happy はダイエットして撮り直したんだけどね)

他にも、ケリー先生の軋む床&新聞紙を使ったダンスやジャズ感満載のダンス大会など魅力的なナンバーも盛り沢山。

コミカルな演技や若干シュールな笑いで明るさをアピールしてるのは伝わってくるのですが、やっぱりジュディの姿が作品に影を落としてしまっている気がします。

善くも悪くもジュディを語るうえでは欠かせない映画。
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