とぽとぽ

真実の囁きのとぽとぽのレビュー・感想・評価

真実の囁き(1996年製作の映画)
4.0
境目

"線"(ex. 人種、国境)はなんの意味もなさないもので大事なのは人間、そして真実は闇の中?そして、それらのためには時に無理して掘り起こさないほうがいい事件もあるのかも。なんのための胸元に輝くひとつ星か、そしてテキサス州のニックネームでもある原題。深い意味。
陸軍基地の元射撃演習場で見つかった頭蓋骨・白骨死体。そこから明らかになっていくかつてのこと…人種、父息子、そしてバディとウェイド。過去をたどる息子クリス・クーパー ✕ その精悍な顔つきで『評決のとき』に負けじと"正義の人"を眩しいくらいに体現する父親マシュー・マコノヒー。誰もが言う、父親は"いい保安官"だったらしい。まっすぐ熱く正義感に燃えていた町の英雄。その故郷に戻ってきて保安官をしている息子は、その事実をどこか"ハイハイ、またか"といった具合で信じきれないでいる。ここで描かれるのは、規律戒律や力(パワー・権力)などに屈することなく、己の意志で道を選び取ること。時が流れ、世代間の違いギャップも出てくるけど、いつの時代だってきっと心に訴えかけてくるような人として正しい行いや共感できるポイントは変わらないはずだから。時を超える真実にたどり着くその先へ…。
パンやティルトを用いての現在と過去がその場で行き来するような切替に"境目"が溶け合う、ジョン・セイルズによる見応えのある作品。複数の登場人物が絡み合うアンサンブルキャスト感。そして、難民やトランプなど、(奇しくも)今でも通じるテーマ。本当にこれでいいのだろうか?迷宮入りの事件だ。

P.S. 映画の歴代ベスト企画などで名前が上がっているのを見て(+若かりしマコノヒー出演作)、輸入盤DVD買おうかと考えたり本当に本当にず〜〜〜っと見たかった作品!ここ日本ではもう見れないのだろうなと半ば諦めていたら、まさかの!!! これは見つけたときテンション上がった。
とぽとぽ

とぽとぽ