柏エシディシ

キスキス,バンバンの柏エシディシのレビュー・感想・評価

キスキス,バンバン(2005年製作の映画)
5.0
めちゃくちゃ好きなんです。コレ。

レイモンド・チャンドラーへのオマージ溢れるL.A.ノワールを、己が出自でもある80年代通快アクションコメディ風味でブラッシュアップしたシェーン・ブラックの大傑作。
ソール・バスのデザインしたペーパーブックの表紙の様にクールなオープニング。
マーロウクラシックを冠するチャプタータイトル。
主人公のドライなユーモアが光るモノローグ。
そして、不可解な2つの事件と謎が謎を呼ぶ身元不明の死体。
あくまでクールなハードボイルド小説の定型をなぞりながら、時にやり過ぎなくらいなギャグとアクションを惜しげもなく投入してくるセンスがたまらない。

シリアスギリギリ手前で、おふざけに走るこの作品の魅力は、まんまロバート・ダウニーJrのキャラクターのパブリックイメージに重なる。最高のハマり役。
道を誤った身をやつした男が、不器用ながらも新しい生き方を見つけ再生していく物語は、まさに彼のキャリアを思わせるもの。
ちょっと抜けてて頼りなくとも、やっぱりカッコよくて、憎めなくて、応援したくなる。
(ご存じの通り、本作がRDJの復活を決定的にした訳で、本作が無ければ「アイアンマン」延いてはMCUの成功は無かったと言って差し支えないでしょう。閑話休題)

そして、何より本作を愛して止まない最大の理由はヒロインのミッシェル・モナハン!!!!!!
もーう、とにかくキュートでセクシー。
最高に弾けまくっている。
しかも、サービスショットもあるヨッ!

男は度胸、女は愛嬌。まさに本作の主演ふたりにまさにハマる。
RDJと2人のとにかく丁々発止が抜群に愛らしくて、楽しい。
そんでもって、忘れちゃならない史上最高(に笑える)ヴァル・キルマー!ねw

少しばかり、照れ隠しにしては度が過ぎているぐらいむちゃくちゃやってくれますが、夢の街ハリウッドで「夢破れた者」への共感と哀悼が根底にながれる物語は一本筋が通っていて、そこも憎めない。(まさにチャンドラーの精神)
最後にエンドロール、RDJの渋い唄声で締めるあたりも小粋。タイトルは"Broken"
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