茜

愛欲の魔神島・謎の全裸美女惨死体の茜のレビュー・感想・評価

3.5
「なんてチープな邦題とジャケ写!!!」つって舐めてた事を反省するレベルでしっかり作られたホラー。

元祖スラッシャーと呼ばれているらしいけど、古代の宗教や儀式の槍といったオカルトな一面まで飛び出してくるもんだからビックリ。
それに加えて、今やホラーの定番である安っぽいお色気や、さほど過激ではないものの適度な血とゴア等々…。
ホラーの要素を贅沢に詰め込んだサービス精神旺盛な山盛り映画でした。

舞台が灯台のそびえ立つ孤島っていうのがそもそも良いよね。
その島で複数の全裸死体を発見した漁師の親子。
錯乱した生き残りの女に父親が刺されてしまうっていう始まりからして訳分かんなくて引き込まれる。
ちなみに初っ端出てくる全裸死体が長髪でうつ伏せなもんだから「早速出た!全裸美女惨死体!タイトルに嘘偽りなし!」なんて思ってたら男だったのクソ笑った。

個人的には映像が綺麗なところも高評価ポイント。
島のロケーションも素敵なんだけど、ややゴシックな暗い室内の雰囲気や、赤や青のカラフルな照明を用いた催眠治療のシーンなど、色味にメリハリがあって目が飽きなかった。
ストーリーとしては中弛みしてる部分もあるし、登場人物がどんどん増えていくので「コイツ誰!?」ってなる時もたまにあったり…(これは私がボンヤリ見てたからかもしれん)
でも特殊メイクや造形も時代を考えるとクオリティの高いものだし、全体的に堅実に作られた映画だなぁという印象。

古い映画が好きな人には勿論おすすめだけど、ホラーファンや元祖スラッシャーとは何ぞや?っていう人も是非。
普通にレンタル出来るのにレビュー数が現時点で16人は寂しいっ…。
茜