Thorta

チャーリーとチョコレート工場のThortaのレビュー・感想・評価

4.1
ロアルド・ダール原作『チョコレート工場の秘密』をティム・バートンが映化。ウィリー・ウォンカのチョコレート工場の見学権を手に入れた5人の子供たち、彼らの前に待ち受けるちょっぴりホラーなファンタジー・ミュージカル。

金ローで何回か見ていたが、初めてフル尺での鑑賞。工場に行くまで結構長かった。チャーリーが貧乏生活なのに聖人過ぎて泣けてきちゃう。けど、金のチケットが当たった時にチョコレート捨てて家に走って帰ったりと子供らしい一面を残しているのが良い。

チョコレート工場に入ればポップで可愛い世界観が広がる。チョコレートの滝の部屋に入る時に『オズの魔法使』のオマージュがあったりと、ティム・バートン監督抜かりがない。工場内の移動手段がどれもアトラクションのような魅力的な乗り物で今見てもウキウキする。
そこから、子ども達がどんどん酷い目にあって、ウンパ・ルンパの皮肉たっぷりなミュージカルが始まる。この酷い目が結構容赦なくて、生殺しなのが幼い時にはホラーだった。この映画は親と子の関係、そして教育の話でもあって、チャーリー以外は基本問題児しか出てこない。親の問題ある教育によって育った子ども達、その報いを結果受けるのは子ども達であることがこの映画の一番ホラーな部分だ。

昔は気付かなかったけど、機械化による失業者、ウンパ・ルンパの搾取的な労働体制、遺伝子組み換えなどなど、ダークな部分が結構含まれていて、大人になっても胸に引っかかる良い映画だった。ティモシーの前日譚も楽しみだが、もしかして違う映画の前日譚!?
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