なお

チャーリーとチョコレート工場のなおのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

現在公開中『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の予習。

ロアルド・ダールの児童小説「チョコレート工場の秘密」が原作。
1971年制作『夢のチョコレート工場』に次ぐ、2作目の実写映画化作品である。

✏️ギブミー、ゴールドチケット
な~んか…
自分の想像の斜め上を、あの空飛ぶエレベーターで通り過ぎていくような笑
思っていた以上に不思議な世界観、そして児童小説が原作の映画にしてはシュールでブラックジョーク的な滑稽さを持った作品だった。

題名にもなっている、アバンギャルドで摩訶不思議・奇想天外なチョコレート工場内部の演出や装飾はティム・バートン監督作品ならでは。
ウンパ・ルンパたちによる、工場見学に訪れた生意気な子どもたちを皮肉るミュージカル調の曲と歌は、高熱出してうなされてる時に見る悪い夢のようだ。

『2001年宇宙の旅』『サイコ』など名作映画の名シーンのオマージュもあり、作品内外における「見つける楽しさ」も内包。
大人の鑑賞にも耐えうる魅力を持ち合わせている。

しかしベースにあるのは「家族っていいよね」という、実にいい意味でありふれた、アットホームなテーマ。
主人公・チャーリーは貧しい家庭に生まれ育ちながらも、共にチョコレート工場の見学に訪れた他のどの子どもたちよりも人としての心を持ち合わせ、家族を大切に、幸せに暮らしていた。

それを見抜いたウィリーはチャーリーにチョコレート工場を譲ろうとするが、それ以上に譲れないものがチャーリーにはあった。
それが「家族」。
こればっかりは、どんな富や名声よりも、どんなに甘くておいしいチョコレートにも代えられない、大切なものだ。

最後には、「家族」という共同体にトラウマを持つウィリーをも家族に引き入れハッピーエンド。
どこをどう取っても王道にしかならないストーリーではあるが、やっぱり王道はいいですよ。

チャーリーと合計4人のおじい・おばあとの会話に何ともいえない人と人との温かさがあって良かったな~。
「この世に不可能はないわ」「これからどんどんいいことが起こるわよ」と、前向きな言葉をチャーリーにかけるジョージーナおばあちゃんが特に。

☑️まとめ
全世界の子どもたちに見てほしくなる「夢や希望」といった王道のテーマを取り扱いつつ、大人が見ても楽しめるブラックユーモア的面白さを兼ね合わせた実に稀有な作品。

ちなみに、劇中に登場した「ウォンカバー」は実在する商品で、日本でも2019年まで製造されていた。

現在これと同じものを入手することは困難だろうけど、せっかくこのたび最新作が公開されたのだから、どこかの製菓メーカーとタイアップして作ってくれないかな…

2019年まで製造されていたチョコは「激甘」で「とにかくデカい」、食べきるのにはかなり苦労するシロモノだったらしいけど。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★☆☆
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆

🎬2023年鑑賞数:98(47)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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