Eyesworth

チャーリーとチョコレート工場のEyesworthのレビュー・感想・評価

4.9
監督ティム・バートン、主演ジョニー・デップのタッグが送る世にも不思議なファンタジー映画。新作が公開されているため、それに合わせてこのタイミングで初めて視聴。

世界一のチョコレート工場を持つが、長らくその内部は閉鎖され謎に包まれていたウォンカのチョコレート工場。ある日、世界中の製造販売されたウォンカのチョコレートの中にゴールドチケットという工場への特別な招待券を5枚だけ紛れ込ませたというニュースを発し世間を騒がせる。そして、幸運にも最後の1枚に当たった貧乏だが心優しい少年チャーリーは、昔その工場で働いていたことのある祖父に保護者として付き添ってもらい、2人でチョコレート工場に赴く。そこで待ち受けていた支配人のウィリー・ウォンカという奇妙な男と5人の子供たちとその保護者に待ち受けていたものとは…

同監督の『シザーハンズ』の主人公エドワードとウィリー・ウォンカを重ねて見てしまう。天才的なセンスを持ちながらも愛情の欠陥を抱え、無機質な自分の世界だけで生きてきたために他人との付き合い方がなんだか覚束ない。そんな彼がこの作品ではチャーリーと出会って、家族の温かみを知り、窓の外では雪がしんしんと降り注ぐというハッピーエンドもシザーハンズと同じである。
他の方が言っている通りストーリー自体はごくありふれたもので斬新性はないかもしれないが、どんな脚本もティム・バートンの手にかかると虚実入り交じった嘘か本当か分からないファニーな映像世界の穴にすっぽり収まってしまう感覚になるのが面白い。ジブリでもディズニーでも何でも良いが、こういう映像との出会いが子供の時の原点にあり、大人になってからもこうした作品を通して子供の情景を取り戻し童心に帰ることができる。その意味でよくできた映画だなと思った。そして何よりウンパ・ルンパのミュージカル作品としても大変優秀。笑いが止まらなくなる。最初の犠牲者オーガスタス・グループの曲がチョコレートのように頭に染み付いて離れない。
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