シンタロー

愛と死の天使のシンタローのレビュー・感想・評価

愛と死の天使(1983年製作の映画)
2.7
付き合っている大学教授の束縛にうんざりして大学をやめたエリザベスは、父親の反対を押し切ってニューヨークへ。ウェイトレスとして働いているところをカメラマンにスカウトされ、モデルの道へ進む。雑誌の表紙を飾るまでに成功し、写真展を催すが、そこでジェリーンというバイオリニストに声をかけられる。ミステリアスな彼の魅力に惹かれていくエリザベスだったが…。
妖艶で野生的な魅力で一世を風靡したナスターシャ・キンスキーですが、失敗作故、お蔵入りも多かった彼女。最もソフト化が遅れた本作にファンは歓喜?ところがまぁ「キャット・ピープル」や「ワン・フロム・ザ・ハート」の後によくこんなの出たねって感じの珍作。しかも、相手役は名バレエダンサーのルドルフ・ヌレエフ?どういう意図でオファー?なぜ引き受けた?そもそもドイツ人のナスターシャがウィスコンシンの田舎娘って設定に無理がある上、ヌレエフ扮する謎のストーカー男に惹かれる理由もさっぱりわからん。ヌレエフはバイオリニストということでダンスシーンは皆無…もったいない!なのにナスターシャには意味不明なダンスシーンがあるという理解不能。ヌレエフの宿敵役にハーヴェイ・カイテル?せっかくこんな3人揃うなら、良い脚本でスコセッシやコッポラに撮らせたらおもしろそうなのに、本当にもったいない。テロリストを題材にした映画なら、少しは緊張感持たせて欲しかったけど、全体的にぬるい。見せ場はナスターシャとヌレエフの絡みとヌードくらいかなぁ。2人共体のラインがとてもしなやかでキレイなのと、ヌレエフの尻が美白過ぎたのが驚き。
主演のナスターシャ・キンスキーは、こんな作品でも大変美しく、今回はブルネットのショートヘアがとても似合ってます。モデル役ってことで、ファッションやメイクもいろいろ楽しませてくれます。なのに、このエリザベスって役は中身がスカスカなので、彼女の芝居自体も宙ぶらりんな感じ。ヌレエフについては言うまでもありません。バレエ界のレジェンドで、ルドルフ・ヴァレンティノの伝記で主演映画も撮りました。そんなお方に、こんなつまらない役をやらせるなんて、無駄づかい過ぎるけど、ナスターシャと共演させて、ラブシーン演じさせたっていうレア度だけで加点しました。
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