ポンコツ娘萌え萌え同盟

生活への道のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

生活への道(1935年製作の映画)
3.6
ミリアム・ホプキンスの表情たまんねえ~。鏡と髪を解すときの顔。嫁いだ先で義母との対立の表情。プールサイドでの笑顔が消えてスッと真顔になる表情変化。ヨット遊びの所で一人になりグラスを落とすときの表情。そして女の表情といえばある場面の涙印象深い。フィリスという女を完全に描きってると同時に、『生活への道』は女性映画というのを強く感じる主役だった。

没落した名家で家計の状態火の車の一家に嫁いだフィリスと、その名家の母であり何としても(家のために)息子の成功を願う母。やろうとする仕事に才能ないし"表層しか知り得ない"ブライトン君。
フィリスと夫のブライトンの愛とこの一家の型にはめることで危機を描いているが、正直本作の象徴する場面はフィリスとブライトンのやり取りよりも、前述したブライトン母とフィリスの対立こそ本作の象徴であり印象深い場面だと思う。なのでこの画は資本と愛の中で、二人の女の対立を強く感じる。

大きな家を通して既に没落名家なのに誇りとは裏腹にフィリスをブライトンのためにマーティンを近づけさせたりと矛盾するプライドの皮肉、などは主に母の行動を通して映る。
そんな母を演じでっぷりとした容姿で厚顔さを演じるヘンリー・ウェストレーもまた、ミリアムと対照的に印象深い女で見事。