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荒野の処刑のHKのレビュー・感想・評価

荒野の処刑(1975年製作の映画)
3.0
スプラッタ・ホラーのルチオ・フルチ監督が数本撮ったマカロニ・ウェスタンの一本。
若干のグロ描写とホラー要素もあり。
原題は“ I quattro dell'apocalisse” (黙示録の4人)。
妙なストーリー展開の風変わりな作品です。

主人公のギャンブラーは流れ着いた町で保安官にいきなり牢屋に入れられます。
牢屋には他に娼婦と黒人の墓堀人足と飲んだくれのアル中の全4人。
この日は町の大掃除の日だとかで、夜になると銃声と怒号が飛び交い、町中の悪党たちは皆処刑されますが、主人公たちはザコとみなされ翌朝釈放。
生き延びた4人は一緒に馬車で旅に出ますが、彼らの行く手にも過酷な運命が・・・

主人公のギャンブラー役はファビオ・テスティ(ジャケ写右上)。
知らない俳優ですがレオーネの『ウェスタン』にも出てるようです。
ホラー担当の黒人の墓掘り(ハリー・ベアード)も知らない俳優。

娼婦役には当時21歳のイギリス女優リン・フレデリック(『さすらいの航海』『熱愛』)。
マカロニのヒロインでこんなに可愛い美人はかなり貴重。
アル中役にはアメリカから個性派マイケル・J・ポラード(『俺たちに明日はない』)が参加。

そして5人目のキャラ、ジャケ写の妙な風体のまるで主役のような怪しい男はトーマス・ミリアン。
今回は旅の4人を騙して残虐非道な行いをする悪役キャラです。

終盤の男しかいない町も不思議テイスト。
全編に流れるフォークソング風のヴォーカルも本作の独特な空気を際立たせます。
一風変わった珍品でマニア向けですが、気になる方はどうぞ。
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