ぬまち

トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーンのぬまちのレビュー・感想・評価

4.5
『ローリングサンダー』と同じ主題歌で幕を開ける本作。ベトナム帰還兵が主人公の物語であることは共通しているが、作風はまったく異なる。あの『エクソシスト』の原作者が脚本・監督をつとめた、精神疾患の療養所を舞台に神の存在について追求する物語だ。

冒頭、打ち上げを控えるロケットの背景に巨大な月がヌッと現れる異様な映像から惹き込まれる。舞台の療養所である霧に包まれた古城のロケーションも抜群に良い。



※以下、ややネタバレ



死に対する不安や恐怖が宗教の起源となったと言われるが、不安や恐怖から逃避するためには神の存在を信じるしかないという、人間の非力さのようなものを描いているように感じた。神の存在証明をするために主人公が行き着いた終着点は、あまりにも悲しい。ラスト、彼の行動がある人物の救済に繋がったことを示して終わるのは、せめてもの救いだ。
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