ShinMakita

君よ憤怒の河を渉れのShinMakitaのレビュー・感想・評価

君よ憤怒の河を渉れ(1976年製作の映画)
3.0
☆mixi過去レビュー転載計画(ノンジャンル編)
…ここ10年で購入したDVD.Blu-rayのレビューです。

…ザ・バットマンを観られない鬱憤を過去レビュー投下で晴らしています。すんません(泣)



〈story〉
東京地検検事の杜丘は、代議士・朝倉の自殺事件に疑問を抱いていた。朝倉は高層ビルのレストランで長岡代議士と会食していたが、突然席を立ち、店の窓から飛び降りたのだ。客たちの見ている前での飛び降りなので自殺は間違いないのだが、動機がない。警視庁の矢村警部が自殺と処理するも、政界のフィクサーとして君臨する長岡が自殺に関与しているのではと疑い、杜丘は独自に調査を開始する。

そんな時・・・新宿の雑踏のなかで電話をしていた杜丘の前に、見知らぬ女が警官を連れて現れた。女は水沢ケイコと名乗り、杜丘を指差して「強盗よ!」と大騒ぎする。杜丘は人違いだと軽くあしらおうとするが、警官たちは杜丘を署に連行してしまった。ケイコが言うには、数日前の夜、杜丘がケイコのアパートに侵入し、宝石を奪ったあげくレイプしたのだという。取調室で否定する杜丘だが、そこに寺田という中年男が現れ、杜丘を指差すなり「こいつが泥棒です!」と叫び出した。寺田もケイコ同様、部屋に忍び込んだ杜丘にカメラと現金を盗まれたと被害届を出しにきたのだ。寺田とも全く面識がない杜丘は犯行を頑固に否定するが、被害者が二人も現れては警察も地検も無視できず、翌日、杜丘の上司である伊藤検事正と矢村警部が杜丘を連れて家宅捜索をおこなう事となった。すると、杜丘の部屋からカメラや現金、宝石が続々見つかってしまい、杜丘は正式に逮捕されることになる。何者かに嵌められたと悟った杜丘は、矢村の隙をついて自宅から逃走する。

警察と検察のメンツをかけて刑事たちが杜丘の行方を追うなか、杜丘はケイコが証言録取で語ったアパートに向かう。しかしすでにケイコは引っ越した後だった。彼女の荷物が能登に送られたことを掴んだ杜丘は、石川県に飛ぶ。そこで、写真館に飾られたケイコの見合い写真を発見。館主に訊くと、ケイコは横路カヨという名前だと教えられる。早速、横路家に行ってみる杜丘。すると、玄関から剣呑な顔の二人組が外に飛び出して行くのを目撃した。彼らが消えたあと、家にそっと入ってみた杜丘は、引っ越し荷物を片付けている最中に絞殺されたカヨ(ケイコ)と対峙する。荷物をあらためた杜丘は、彼女の結婚写真を発見。なんとカヨの夫である横路氏は、あの寺田であった。なぜ俺は嵌められたのか?なぜカヨは殺されたのか?真相を知っているのは、この寺田=横路だ。杜丘は横路を追跡しようと決意する。

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カヨの死体が発見され、杜丘がついに盗みだけでなく殺人も犯したということで特捜本部が設置される。指揮をとる矢村は、横路夫妻が偽名を使って被害届を出した事に疑問を抱き、杜丘は嵌められたのだと悟る。しかしカヨ殺害現場に杜丘の指紋があった以上、杜丘が殺人犯であることは間違いない。そこで杜丘が次に現れそうな場所・・・横路の実家・北海道の日高に捜査員を派遣する。同時に、被害届を出して以降行方不明となっている横路の行方も追うのだった。二日後、予想通り日高に杜丘が現れる。刑事たちに追われ、山中に逃げた杜丘。道警が山狩りをおこなうドサクサにまぎれ、カヨを殺害した二人組も銃を手に山に入っていく。彼らの目的は、杜丘の抹殺だ。一日かけて、警察と二人組の追跡を巧みに躱した杜丘だが、茂みの中で熊に襲われた女性・マユミを助けようとして川に転落、意識を失ってしまう・・・


➖➖➖
まー、凄い映画ですよね。アラスジの通り、前半部もかなり破天荒ですが、後半・・・北海道パートから怒涛のトンデモ展開になっていきます。ハードロマン活劇というより、究極のパーティ映画。野郎どもで集まって、キャッキャ言いながらツッコミまくる作品と言えるでしょう。いわば<健さん版・逃亡者>というプロットですので面白さは担保されているのですが、プロットとは関係ない部分で笑いながら楽しめてしまうという困りものなんですよね。




・あの健さんがレイプ犯!
・あの健さんが熊と格闘!(しかも二度!)
・あの健さんが無免許セスナ飛行!
・新宿東口の機動隊を馬で蹴散らす健さん!
・あの健さんが精神病院に入院!
・そして期待の中野良子のオッパイは吹替え!

・・とまあ、ツッコンでもツッコミ足りない、大変忙しい一本。日本映画史にも、健さん映画史上にも残る幻の珍品。必携のDVDでした。リメイクと言ってもよい福山雅治&ジョン・ウーの「マンハント」もかなりイカレてましたが、本作ほど狂ってなかったなあ。
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