これもフレック、ボーデンのコンビ作で、たぶんザック・ガリフィアナキスが出演しているから輸入された。『ワイルド・ギャンブル』（15）と共通しているのは、当初、主人公は死のうとしている、ところ。これはネッド・ヴィジーニが精神病院に入った時の経験を元にして書いた小説が原作だが、主人公の自殺願望者に妙なリアリティがあるのはヴィジーニ自身の話だからなのだ。だから衝撃的だったのは、映画は主人公が自分を取り戻して終わるのに、ヴィジーニは数年後、飛び降り自殺してしまうから。ボウイとクイーンのコラボ・ソング「アンダー・プレッシャー」をみんなで歌うシーンなど、好きな映画なのに、その現実のお陰で一気に観返すのが億劫になってしまった。
