mitakosama

北国の街のmitakosamaのレビュー・感想・評価

北国の街(1965年製作の映画)
3.4
スカパーにて。ベタすぎるくらいにベタな日活青春映画。
新潟の田舎町が舞台。父が染め物職人の高校生(舟木一夫)は通学の汽車で、他校の女子高生(和泉雅子)に出会い付き合うこととなる。これが如何にもな健全な男女交際だ。

この二人に割って入ろうとヤンキーが舟木一夫に因縁を付けまくる。舟木のクラスメイト気の良い番長(山内賢)が友情で守ってくれる。

みんな高校生を演じるには老けてるな〜(笑)

将来は東京に出て一緒になろうとする二人は、ヤンキーに毅然とした態度で対応。だが舟木の父が病気で入院し、和泉は実は白血病であり、互いに困難が続く。
障害があるほどに恋は燃え上がるものだが、二人は東京と新潟に別れ生きることを選ぶ。

確かに今作は白血病ヒロインなどベタに違いないのだが、やはり織物職人という設定が良いね。
雪すさぶ冬の川で織物を洗う厳しい仕事を描写することで、地元を選ぶ主人公の舟木と山内の覚悟を表している。
雪の中を走る汽車にはみ出る程に乗客がいて舟木と和泉がしがみついて乗っているなど、昔の雪国というシチュエーションに生きる若者という設定が実に活きている。
雪国という舞台そのものが主役でもある。タイトルに偽りなし。
mitakosama

mitakosama