真っ黒こげ太郎

コードネーム・イーグルの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

コードネーム・イーグル(2003年製作の映画)
3.6
※再鑑賞&レビューに伴い、レビューを(意味もなく)加筆修正しています。
「いいね!」してくれた人はすみません。


「現実の世界情勢を背景に描く リアルタイム戦争アクション!」


という謳い文句からの――――

エグゼクティブプロデューサー Roger Corman
          &
監督権プロデューサー Cirio H. Santiago


うん、まぁ、そういう事ですはい。w




フィリピンを訪れていたアメリカ議員のバーンズ達がイスラム系テロリストに拉致された。
テロリスト達は48時間以内に議員の命と引き合えに捕虜を釈放しろと脅迫してきた。

人質救出を命じられたアメリカ海兵隊のピアーズ中尉は特殊部隊を編成し、敵の本拠地であるサバ島へと向かう。
だが、上陸した先で敵の襲撃に遭い、数名を除いて部隊がほぼ壊滅してしまう。
敵に狙われる絶体絶命の危機。ピアーズ中尉率いる特殊部隊は人質を救出し、生きて帰ることができるのか。




拉致された人質を救出する為に、テロリスト達に戦いを挑む特殊部隊を描いた、コマンド・アクション映画。


ジャケだけ見ると真面目な戦争アクションっぽいけど本作の制作にはB~Z級映画の王様であるロジャー・コーマン氏が関わってる。
また監督のシリオ・H・サンチャゴ氏は80年代のVHS時代からロジャコマさんとタッグを組んで沢山のエクスプロイテーションを量産してきた。

これが何を意味するのかというと、本作は90~80年代のビデオバブルの時に出まくった(俺はその時代に生きてないが)コマンドアクションと何ら変わりはないということなのだ!!!
ビデオ配給会社は社会派な戦争映画として売り出そうとしているが、基本は「人質救出の為にアメリカ軍特殊部隊が敵地で大暴れ」という、ベタなドンパチコマンド物!!!

一応「裏切者がいる!」「生き残りの部隊を助けるか否か」的な要素もあるが、基本的にはマッチョ軍人が銃撃って爆発する、捻りもへったくれもないプロットだ。w

話はあってないようなもので銃声と爆音がひたすら鳴り響くだけ!!!
映画自体はかなり古風な作りで、アクション演出も特筆するものはないが、予算がないなりに結構な激しさでボンボン火薬が爆発しているし、今と違ってCGとかで誤魔化してないのは偉いエライ。
開始15分で敵地に到着してからはずっと戦いっぱなしで、女性キャラは脇役でちょろっと出る位、野郎の叫びや泥臭いドンパチが展開されるだけの、泥臭く潤いのないむさ苦しい内容。w


正直言ってアクションも展開も古臭いし、内容もお話も特に特筆に値する物はないので、正直そこまで面白くない。
火薬のドンパチや銃撃戦こそ全編に渡って繰り広げられるが、アクション的に目新しさは皆無なので、ダラダラ撃ちあっているようにしか見えない。
まぁ、全編銃撃戦してて火薬の爆破があちこちで描かれてる分、最近のしょうもない手抜きアクションよりは全ッ然ましではあるが。


良くも悪くも80年~90年代のC~Z級コマンド物そのまんまな内容だが、VHSでしか出ておらず、今では再リリースや再配信も中々しなさそうなあの頃の作品がこのご時世にDVDで見ることが出来るは何気に凄い気がする。
まぁ、それにありがたみを感じるかどうかは人それぞれかもしれんが。


ビデオバブル時代のB~Z級を味わいたい人やあの頃の雰囲気を味わいたい奇特な人は、アレな出来栄えである事を覚悟した上でご覧下さい。

取り合えず、何も考えずに脳死でドンパチだけを楽しみたいなら、暇つぶし位にはなる…と思います。多分…。