LEONkei

17歳の夏のLEONkeiのレビュー・感想・評価

17歳の夏(2005年製作の映画)
2.2
大人は判ってくれない、いつの時代も。

そして、いつの時代もひと夏の経験で少女は変わる。

避暑地のキャンプ場で家族で過ごす少女〝カミーユ〟は、臨時で雇われた妻子ある中年男のヨットコーチにココロ奪われる。

こんな有り触れたストーリーは何度も観てきたが、現実にはこんな出来事は滅多に無い…が、無い事もない。

面白いのは少女もコーチも美男美女でない所だ。

コーチはあの個性派俳優の〝ドニ・ラヴァン〟で、少女は…知りません。

突然キャンプ場に現れた無口で退屈な中年男に少女が惹かれる理由は、ポッカリ空いたココロの隙間にスーッと入ってきたのだろう。

自分の存在価値を男が認めてくれたなら、年齢の差など関係ない。

これは眩しい太陽のせいなのか…

残念ながら内容に共感できても、映画としての作りには共感できなかった。

しかし監督や脚本が違った人物に変わったら、隠れた名作になった可能性を秘める(?)。

それはこの物語が単なる思春期を描いた甘く危険なラヴストーリーではなく、置かれた環境や立場や年齢を越えた男と女の行く末に待っている悲しくも破壊的な物語だからだ。

同じ〝ドニ・ラヴァン〟が出演しているから言える事だが、根本的には『ツバル』と大して変わりはない。

ファンタジーな世界観の中で描く『ツバル』に対し、リアルな現実社会の中で描く『17歳の夏』。

比較すれば余りにも描写の違いに別モノに感じるが、どちらも〝純愛〟には変わりない。

個人的には〝カミーユ〟役の少女を、友人役の〝ロール〟にしてほしかった..★,
LEONkei

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