のりまき

ブラッディ・ガンののりまきのレビュー・感想・評価

ブラッディ・ガン(1990年製作の映画)
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アメリカ人がオーストラリアに渡り、アボリジニを弾圧するイギリス移民と対決という突っ込みどころ満載の筋書きながら、ボギーとヘプバーンばりの凸凹カップルの恋の道行きが絡んで何やら懐かしいテイストのオージー西部劇。暗い過去を背負ったヒロインも、ひどい目に遭うアボリジニたちも「その解決でいいの?」というあっさりさだが、昔風な男の定石。さすがトム・セレック。彼のヒロインはキュート顔。ローラ・サン・ジャコモと噛み合わない会話を交わしお互いちょっと歩み寄るというレトロな恋。リックマンのベタな悪役も素敵。90年に作られたフェアリーテイル。

再見していたら「あれ?トリガーが2つ?」。気になって家人に問い合わせたら、実はこの映画ガンマニアには有名な作品であるとか。これがきっかけでとある射撃大会の名前が変わったらしい。そのくせ衝撃を和らげ命中精度をあげるというその仕組みは中盤以降画面に映らないという奥ゆかしさ。馬のスタントも激しいし、速撃ちもあるし、なかなか硬派なのに、硬派になりきれないのがご愛敬。
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