イチロヲ

妖怪巨大女のイチロヲのレビュー・感想・評価

妖怪巨大女(1958年製作の映画)
3.0
夫の策略に脅かされている富裕層の夫人が、地球外生命体との遭遇を契機にして、身長15メートルの巨大女に変身してしまう。巨大女の悲哀と報復を描いている、パニック・ホラー。

若い愛人のために資産の横取りを企む夫と精神異常者の疑いを掛けられる夫人。このふたりの軋轢をメインに据えながら、巨大化した夫人のフラストレーションの昂りを描いていく。荒唐無稽な題名がドーンと表示される、威勢の良いタイトルバックが笑える。

巨大女の描写は、大きな手のひら(どこから見てもハリボテ)などの身体部位を見せてから、クライマックスに全身像をお披露目するパターン。チープな合成技術と編集の妙で、どうにかこうにか巨大感を拵えており、キッチュな味わいを楽しむことができる。

性的嗜好の想像力を拡張させたことでも有名な本作。「"50 Foot Woman"の足の裏を見上げながら、そのまま踏まれたい」という足フェティシズムが刺激させられる。「巨大なままで、生理が始まったらどうするんだろう」なんてことは考えないでおこう。
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