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ショーン・オブ・ザ・デッドのapapattiのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

序盤は展開が遅いなと思っていたけど、オチが最高である。

ひたすらゾンビ映画大喜利をしてるというか、あるあるをメタにいじりまくるという構造なんだと思う。
頭つぶせば死ぬ→陶器投げる→気に入ってないレコード投げる→最終的にスコップとクリケットスティックで殴殺という。

すごいあいまいにバーに行けば何とかなる!と家をむやみに出たりとか、めちゃくちゃ短絡的だけどやたら戦闘力の高い主人公。
泣けるセリフを言ってすぐゾンビ化する肉親とか。

なんかチープな薄味のコメディ何かな、と思ってみてたら、ラストでなんで発生したかわからんけどなんとなくゾンビとは共生してるというラストが衝撃的だった。

これでここまでのあるあるみたいなのは一気にひっくり返って、実生活・今生きてる人間って結局ゾンビみたいなもんじゃね?っていうめちゃくちゃな風刺として帰ってくる構造になってるのでは?と見えて、とてつもない作品なのでは?となった。

ゾンビになったあとも簡単な仕事ならできるとか、ローションまみれのレースさせられるとか、家の裏で一緒にゲームしてるとか。ゾンビになったとて、別にそのロールをこなしてる人間は一定いるし、ゾンビかゾンビじゃないかはそんなに重要じゃないという。

ほんでゾンビじゃなくともニュースに踊らされちゃだめだ!とかいってゾンビがいっぱいいる町に飛び出すとか、そういう愚行は一定みんなやるのよ。・・・まあ愚行かどうかは結果論でしかないから、作中でも言われていたようにアクションを起こしたショーンが責められるべきではないのだけど。こういう時は。

てっきり手前でSWATみたいなのが突入してきたときは。ミストみたいな胸糞エンドを想起したので、終始ちゃんとポップで貫きつつ、一方で強烈な風刺をぶち込んでくるのは結構なすごい作品だと思う。
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