NORA

ショーン・オブ・ザ・デッドのNORAのレビュー・感想・評価

4.3
ゾンビを恐怖でなく笑いの対象とする向き自体は以前からあれど、ゾンビコメディというジャンルを確立させた立役者は、何をおいても本作が筆頭だろう。ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』(1978)を下敷きとし、ブリティッシュなブラックユーモアとゆるい(ゆるすぎない)世界観、愛すべきボンクラキャラクターたちで包み込み、観客の腹をよじれさせつつ、本来は原典を笑い飛ばすはずのパロディを、むしろ正統派リブートとして機能させるという離れ業を見せている。本作の発表以後、幾多のフォロワーがこの映画の模倣を試み、そして失敗していった事実は、本作の完成度がいかに高いものであったかを十全に示している。予想外のラストも今なお新鮮。
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