とりん

ショーン・オブ・ザ・デッドのとりんのレビュー・感想・評価

4.0
謎の感染により急にゾンビが溢れかえった世界でダメ男のショーンが恋人、母親、友人を守るために奮闘するゾンビコメディ。

これまでにもいくつかゾンビコメディ映画を観てきたが、ここまで徹底してくるともはや笑いしか出てこない。
本人たちは真剣に戦っているのだろうけど、真剣に戦えば戦うほど笑えてくる。
常に小ネタを挟んでくるし、演技もひとつひとつが細かい。
サイモン・ペッグとニック・フロントのタッグの演技が良い意味で憎い。

まさかゾンビが溢れかえってるとは思わない最初の展開の酔っ払いやヤク中と間違えたり、タイミングよくゾンビを交わしたりとのらりくらり感がすごい。
終始テンポが良く、グロテスクの耐性さえあれば、最後まで飽きずに楽しむことができる。
はじめはなかなかゾンビが出てこないなとは思ったけど、そこはショーンたちのダメ人間ぷりが生きていながらすでにゾンビのような人間であることにかけている気もする。

もちろんコメディとはいえ、ゾンビ映画の王道は貫いていて、ゾンビは走らない、頭を粉砕か切断で倒せる、大口叩くものは死に、主人公はどんな状況になっても基本噛まれないなど。
感動シーンも盛り込んでくるが、すぐさまシリアスな笑いに変えるのがさすがである。

個人的に好きなのは音楽。
急にジュークボックスから流れる曲のチョイスがクイーンというのがまたイギリスらしいというか。
しかもそのリズムに合わせてゾンビを攻撃するなど軽快に音楽に合わせて映画を盛り上げてくれる。
レコードを投げるシーンのチョイスも面白い。
映像の魅せ方も独特で、動いてる人を中心に流れるようなカメラワークなど惹きつけられるところもたくさんあった。
とりん

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