てれ

アルターフ -復讐の名のもとに-のてれのレビュー・感想・評価

4.0
凄い情報量だ…!キャストも豪華!
カシミールを舞台に、カシミール解放過激派と警察の対立が愛と憎しみの間に大きく揺れ動く。

若き日のリティク・ローシャンが演じるアルターフはいつも儚くて脆い、今にも泣き出しそうな潤んで透き通った瞳をしていて、本当はどこまでも純粋なのだと思わせる。だからこそ、憎しみに染まり復讐に燃える姿が見ていて胸が張り裂けるほど切なかった…
意志の揺るがない憎しみの化身と、心的な不安定さをたたえたあどけなさをも感じさせる傷つき果てた華奢な青年を演じ切るリティクにはカリスマ性を感じた(撮影当時はまだ無名だったらしいが既にスターのオーラが凄かった)

そしてサンジャイ・ダット様演じるカーン署長のカッコいいこと!カシミールを守る警察としてカシミールのことを愛している。けれど過激派の解放の主張には同意はできないため襲撃で抑えるしかない。襲撃した戦士の息子がまだ幼いアルターフだと知り、何も知らぬ彼を引き取り親子として歩もうとするも、アルターフはカーンが自分の家族を皆殺しにしたと知ってしまう。
どんなにアルターフを息子として愛する感情が本物でも、それを覆うほどの過ちをしてしまったカーンの後悔が痛々しく伝わってきてこちらも苦しい。

同じインド人なのに、なぜ憎み合わなければいけないのか。カシミールの問題の根深さとその犠牲になった人々を思わずにはいられない。
てれ

てれ