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マスター・オブ・リアル・カンフー/大地無限のfieldのレビュー・感想・評価

4.6
黄飛鴻と同じくらい好きな張三豊、全リンチェイの中でもベストバウトかも知れない。伝説の人物で尾ひれか真偽は分からない部分も多いようだが太極拳の祖とされる張三豊、若き日のクンパオ。
気性の荒いティンパオにチン・シュウホウ、師匠にラウ・シュン。慈悲があり徳の高い役柄がよく似合うな。師匠の兄弟子にユエ・ハイは攻撃的で門弟たちの羅漢棍陣も格好良い。縦社会の少林寺で育ち性格や見真似で覚える武術が描かれてる。
師匠に気孔の書を貰い俗世に旅立つ二人。温厚なクンパオに対し出世欲のあるティンパオ、性格の違いが明暗を分ける二人のドラマも好きだ。枝葉が分かれるように進む運命、クンパオに感情移入してしまう。下衆な夫を持ったチウのミシェールヨーは自暴自棄になり諭される役どころも良い。竹馬風な女性同士のアクション、背面蹴りは流石だな。アクションでの見所も多い。

白塗りのラウ太監に憧れ役人になるティンパオ、徐々に仲間が集うクンパオ。権力で血税を強いる役人への反感は当然、ティンパオの傲慢さが生む溝が切ない。方法論以外は前向きなんだけどな。
信じていたのに裏切られ仲間から責められ散々なクンパオが気が触れる過程はコミカルで楽しいが真理に気付き覚醒する流れは何度観ても痺れる。
魅せる型はしなやかで軸があり止めが綺麗、力で押そうとするティンパオの剛に対し力を利用する柔のクンパオ、ワイヤー感は満載だがアクションが最高。ワイヤーを認識する以前から観続けてたせいもあるかな、全く気にならない。
全ての源は自然にあり、決め台詞も格好良い。
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