ロクシ

キャタピラーのロクシのレビュー・感想・評価

キャタピラー(2010年製作の映画)
3.3
U-NEXTにて視聴。四肢のない夫と性交渉するシーンがひたすらでてくるので、
映像自体は結構ショッキングかも。
でもセリフも多くて内容はわかりやすいし、女性が見たらスカっとする映画だと思う。

日中戦争で女をレイプして殺しまくり、家庭でもDV夫だった男が、
戦場で四肢がなくなって帰ってくる。
最初は暴虐にふるまっていたが、四肢がないので奥さんも殴れず、
村で自分を見世物にしようとする奥さんにも抵抗できず、つばを吐いたりおしっこをして反抗すると、かつて自分がそうしたように奥さんに叩かれる。
ひたすら食べて寝て糞してセックスばっかり求めてくる夫には、セックスさせときゃ機嫌治すだろうと、奥さんがセックスしてあげようすると
夫は自分が不本意なセックスをされることで、やっと戦場で民間の女性をレイプした罪を自覚するのだった。
焼ける民家でレイプした映像がフラッシュバックしてしまい、苦しんで床に転がる夫を妻は芋虫ごーろごろと嘲笑う。(妻は夫が戦場で女性をレイプしたことなど知らないのだが)
正直夫に対して全く同情できなかったので終始ザマァとしか思えなかった。
終戦と同時に夫は自ら沼に這って行き入水自殺。ちょっとかわいそうだけど因果応報。お疲れ様でした。
レイプされて死んだ女たちもざまぁと思ってることだろう。

重子は途中代理ミュンヒハウゼン症候群のようになって、
生きる軍神様として崇められている夫をリアカーに乗せて散歩すると、「重子さんがんばってるね」「嫁の鏡だね」と村人に声をかけられ、気分が良くなる。
と思いきや、村で懸命に働く男たちを見ると、家でひたすら寝ている夫にやはり憤りも隠せない。そして、四肢がなくなったのは夫のせいではないんだと葛藤もする。
私は重子は全く責められないし、一人で介護と仕事を続けてよくあそこまで正気でいられるなぁと思った。
面白かったです。でも最後の取って付けたような空襲の死者数を出すのはストーリーと全く関係がないので邪魔でしかない。なんだあれ。
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