クモ怪人

キャタピラーのクモ怪人のレビュー・感想・評価

キャタピラー(2010年製作の映画)
3.4
勇壮な軍歌に合わせ兵隊さんが腰を振る。これはお国のためなのか…

黒川少尉が奇跡の生還を遂げる。軍神として奉られる。手も足もない。軍神様って何なのか。軍神様は皆の誇りだ。イモムシ、ゴーロゴロだ。

やりたいって何がやりたいんですか?
寺島しのぶが2010年ベルリン国際映画祭コンペティションで最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞する。生ける軍神の妻、シゲ子を演じる。お国のために、貞節を尽くし、ご奉公する。蠢く裸身に狂気が宿る。男社会に逆襲する。鬼気迫る演技た。

生々しく緊張感のある男女の姿が描かれる。若松監督が反戦のメッセージを込める。でも、寺島しのぶの演技の影響か、反戦よりも女性の真の怖さを感じてしまう。

軍神が永遠の自由を求め、這う。エンドロールで追い打ちをかけるように、元ちとせの「死んだ女の子」の歌唱が響き渡る。若松監督が戦争のバカタレ!バカタレイッ!と言っているようだ…
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