すずき

カニバル・カンフー/燃えよ!食人拳のすずきのレビュー・感想・評価

2.6
中国、離れ小島のとある村。
そこは、訪れた行商人等を捕らえては、殺し食らう、食人村だった!
政府の特務捜査官「999」はそうとは知らず、大泥棒ローレックスを追って、この島に着いた。
999は村の保安隊長に捜査の協力を依頼するが、実は隊長は人間狩り実行部隊のリーダーだった。
人間狩りの一団に襲われる999、果たして生き延びることができるか!?そしてローレックスの正体とは!?

いかにも見世物小屋的グラインドハウス的なタイトルのこの映画、監督は実はツイ・ハーク!びっくりだ。
だからといって、すっげー面白いかというと…微妙w
ただカンフーの殺陣と、ジャッキー映画に代表される、香港映画特有の小物を使ったギミックは意外にイイ。
さて皆様お待ちかねの食人描写だけど、残虐度は意外にライト。
まあ古い作品だと技術的にしょうがないか。

主人公のキャラクターは嫌いじゃないタイプ。
ソフトハットに紙巻きタバコ、キザでハードボイルドだけど、服装はロング丈のカンフー服、ってのが個性的で好き。
カンフーの達人ではあるけれど、どうにもキマらない三枚目なところもお茶目。
ちなみに食人拳、なんて拳法は登場しません。

ホラーとブラックコメディとカンフー、そして中華映画特有のベタなギャグとが混然一体となったカオスな味わい。「八仙飯店之人肉饅頭」のカオスさにも似てるかも。
しかし一番カオスなのは、BGM。
群衆の叫び声なのかBGMなのか不明だけど、不協和音がやかましすぎる!
他にも場面に微妙にそぐわない調子外れなBGMだったり、安っぽいBGMだったり、「サスペリア」のサントラの無断使用だったり…いやそれはアウトだろ!